先ほど鼻血の原因でも少しお話ししましたが、鼻血は鼻の穴の入り口から少し奥にある「キーゼルバッハ」という部分から出ます。
鼻血が出る場所は8割ほどがこの場所と言えます。
鼻を左右に分けている壁のような部分を鼻中隔(びちゅうかく)と言いますが、鼻中隔の中でも鼻の入り口に近いところに位置している部分のことをキーゼルバッハ部位と言います。
鼻に指をほんの少し入れたとき、その指先が内側が触れることのできる中央の硬い部分になります。
鼻の粘膜には毛細血管が集まっているのですが、キーゼルバッハ部分には特に毛細血管が集まっています。
皮膚が粘膜に変わっている部分でもあり、粘膜がとても薄い部分になります。
また毛細血管の下が柔らかい骨になっているので、外部からの刺激を受けやすいのです。
そのため、少しの傷などでも出血してしまいます。
子供の場合の鼻血は、殆どがこの場所からの出血になります。
キーゼルバッハ部位以外では下鼻甲介後端、中鼻道など鼻腔中部〜後部から鼻血が出ることがあります。
この部分だと、キーゼルバッハ部位からの出血よりも動脈性出血が多くなります。
下鼻甲介後端は血管が太いために出血点を確認するのが難しいため、通常よりも出血量が多くなります。
またキーゼルバッハ部位から出血したときよりも治療が難しいとされています。
大人の場合は腔中部〜後部からの出血が3割ほどを占めます。
そのため「大人の鼻血は要注意」と言われる原因となっているようです。